
外壁塗装にふさわしい季節・時期は?シーズンごとのメリット・デメリットを解説


外壁塗装を行う時期により、見た目や出来栄えなど完成度が大きく異なります。適切な時期に外壁塗装を行わないと、きれいに塗装できず期待外れの結果になるでしょう。外壁塗装の適切な時期を知ることで、ベストシーズンに依頼できます。 そこで今回は、外壁塗装にふさわしい季節や時期について解説します。シーズンごとのメリットデメリットも解説するため、外壁塗装の依頼を考えている方はぜひ参考にしてください。
外壁塗装にふさわしい時期は?

外壁塗装は、どの時期がふさわしいのでしょうか。外壁塗装は塗料の関係により、気温や湿度が出来栄えに大きく影響します。また、時期によっては外壁塗装の依頼費用が高くなるケースもあるため、どの時期に依頼するかを考えなければなりません。
10月、11月がベストシーズン
外壁塗装のふさわしい時期は、10月もしくは11月がもっともよいといわれています。外壁塗装を行う環境は気温15℃~30℃、湿度75%以下が適しています。夏の蒸し暑い日や雪が降る時期などは、極力避けなければなりません。 また、外壁塗装を行う際に気温や湿度の条件を提示している業者もあります。気温が5℃以下や湿度が85%以上を超えると、外壁塗装を行えないため確認が必要です。国土交通省が提示する公共建築工事標準仕様書には、外壁塗装にふさわしい環境が定められています。 適切な時期に外壁塗装を行わないと、うまく塗料が外壁になじまず耐久性が落ちます。施工不良の原因になるため、極力外壁塗装に適したシーズンに依頼するのが望ましいです。 10月と11月は、気温や湿度の条件がベストであるため、外壁塗装の依頼がもっとも多いです。この時期は業者を探しづらい時期でもあり、外壁塗装を依頼したい方は早めに予約を行いましょう。
外壁塗装の季節別のメリット・デメリット

塗装の出来栄えを考えるうえでは、どの季節に行うかが重要です。外壁塗装を行う季節により、メリット・デメリットがそれぞれ異なります。ここでは、春と梅雨、夏、秋、冬に分けて、それぞれの季節に外壁塗装を行うメリット・デメリットを解説します。
【春】3.4.5月
春(3、4、5月)に外壁塗装を行うメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
春は、外壁塗装にふさわしい季節です。外壁塗装に適する気温であるため、塗料が乾きやすく、気候的には適した季節といえます。また、新年キャンペーンとして費用を安くする業者も多いです。業者ごとの費用を比較して、ご自身の希望のあう業者を探しましょう。
デメリット
春に外壁塗装を行うデメリットは、業者がみつからない可能性がある点です。春先は外壁塗装を行うのに適したシーズンのため、予約がいっぱいの可能性があります。予約が多いと優良な業者がなかなかみつからず、費用が高い業者に依頼しなければなりません。 費用が高いだけでなく、塗り直しの日程を確保できないこともあります。春先は気温や湿度は適していますが、梅雨前線が通過する関係で天候が読みにくいです。工期を予定通りに終わらせたい方は、天候が読みやすい時期に行うことをおすすめします。 業者によっては、天候が悪い場合の保証サービスを設けている場合があります。業者の保証内容を確認して、春に外壁塗装を行っても問題ないかを検討しましょう。
【梅雨】6.7月
梅雨(6、7月)に外壁塗装を行うメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
梅雨の時期に外壁塗装を依頼するメリットは、予約を取りやすい点です。予約を取りやすい理由は、外壁塗装は天候に左右されるため梅雨シーズンを避ける方が多いためです。 予約が取りやすいだけでなく、費用も安い場合があります。業者により梅雨限定のキャンペーンを行う場合があるため、キャンペーン情報を比較して選ぶと費用が安くなるかもしれません。
デメリット
梅雨に外壁塗装を行うデメリットは、工期が延びる可能性がある点です。雨が降ると外壁塗装は行えないため、当初の予定よりも工期終了日が遅くなります。外壁塗装の範囲にもよりますが、基本的には7日~10日で工事が完了します。しかし梅雨シーズンでは、1か月以上もかかるケースがあるため、急ぎの方は注意が必要です。 早く外壁塗装を終わらせたい方は、梅雨の時期は避けてください。雨が降りやすいだけでなく、塗料が乾きづらい時期でもあります。梅雨シーズンを避けることで、計画通りに外壁塗装を進められます。
【夏】8月
夏(8月)に外壁塗装を行うメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
夏に外壁塗装を行うメリットは、晴れた日が多く乾きやすい点です。塗料をすぐに乾燥させられるため、予定通りに工事を進められます。日照時間も長く、夕方遅くでも作業できるメリットがあります。 冬場に外壁塗装を行うと、気温の影響で作業を行えないケースがあります。しかし、夏場の気温では基本的に日本であれば、気温の影響で塗装できないことはないでしょう。気温については、あまり考えなくてよいのが夏場のメリットです。
デメリット
夏に外壁塗装を行うデメリットは、天候が急変する点です。夏場はゲリラ豪雨や台風などが起こりやすいため、工事を途中で中断される場合もあります。台風やゲリラ豪雨がある日は作業できず、工期が延びる可能性があります。 また、外壁塗装を行う際は窓を開けられないため、室内にクーラーが設置されていないと厳しいです。室内にクーラーが設置されていない場合は、業者に相談すると対応してもらえる場合があるため確認が必要です。
【秋】9.10.11月
秋(9、10、11月)に外壁塗装を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
秋に外壁塗装を行うメリットは、空気が乾燥していて適温である点です。暑すぎることもないため、外壁塗装の人気のシーズンでもあります。秋に外壁塗装を依頼すると、年内に工事が完了するためおすすめです。
デメリット
秋に外壁塗装を行うデメリットは、秋雨前線の影響により工事が中断してしまう点です。夏場の台風ほどではありませんが、計画的に外壁塗装を依頼する必要があります。また、年内に外壁塗装を終わらせたい方が多く、優良な業者に依頼が殺到している場合があります。依頼が多い時期は費用が高くなることが多いため、費用を比較して早めに業者を探しましょう。
【冬】12.1.2月
冬(12、1、2月)に外壁塗装を行うメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット
冬に外壁塗装を行うメリットは、地域によりますが湿度も低く乾きやすいメリットがある点です。年末に近く依頼が少ないこともあり、キャンペーンが充実している場合があります。費用をおさえられる可能性があるため、複数の業者のホームページを確認してみましょう。
デメリット
冬に外壁塗装を依頼するデメリットは、積雪や凍結により外壁塗装を行えない場合がある点です。豪雪地帯などでは外壁塗装を行えず、雪の降る地域は時期を考えて依頼する必要があります。 また、夜露の影響により塗装時間が確保できず、工期が延びることがあります。冬の時期に外壁塗装を行う場合は、業者に工期通りに進められるかをきちんと確認しましょう。雪の降る冬の時期でも、工夫して外壁塗装を行う業者も存在します。
外壁塗装に適した気温
上記で解説したとおり、外壁塗装を行う際は適した気温や湿度を知っておくことが重要です。基本的には、気温が5℃以下で湿度が85%以上になると塗装を行えません。塗料のメーカーが気温や湿度を保証しており、気候条件によっては依頼を断られるケースがあります。 気温や湿度、台風、天候を考えると、春や秋などが外壁塗装に適した時期といえます。春と秋が適したシーズンであるため、優良な塗装業者の場合は4か月前から予約いっぱいになることもあります。春や秋に外壁塗装を行う場合は、事前の予約確認は必須です。 湿度が高い時期でも、外壁塗装を依頼することは可能です。しかし、水性塗料から溶剤塗料に変更したり、延長料金が発生したりすることもあります。湿度の高い時期に外壁塗装を行う際は、通常よりも費用がかかることを想定しておきましょう。
外壁塗装を避けるべき気温や条件

外壁塗装を避けるべき気温や条件があります。適切な気温や湿度で外壁塗装を行わないと、塗装の見栄えが悪くなるかもしれません。ここでは、どのような条件下で外壁塗装を避けるべきかを確認しましょう。
気温が5℃以下
気温が5℃以下の日は、外壁塗装を基本的には行えません。参考として、福岡県の1月の平均気温は約6.6℃であり、1日の最高気温は約9.9℃です。冬でも地域により外壁塗装を行えることもあるため、ご自身の住んでいる地域の平均気温を確認しましょう。冬場でも早朝などは気温が5℃以下になることもあり、作業する時間帯も考慮する必要があります。
湿度が85%のとき
湿度が85%を超えると、外壁塗装を行えません。湿度が高いと塗料がうまく外壁となじまないため、塗料のメーカーが保証する湿度の日に作業する必要があります。参考として、東京都の8月の相対湿度平均値は74%、沖縄県の8月の相対湿度平均値は78%です。 沖縄県でも夏の晴れた日は、湿度は85%を超えません。しかし、雨の日などは日中の湿度が85%を超えることもあります。とくに梅雨の時期は注意する必要があり、雨が降っていなくても湿度が85%を超える場合もあるため事前によく確認しましょう。
雨天、雪のとき
雨や雪のときも、外壁塗装は基本的に行えません。先ほども紹介したとおり、雨や雪の日には湿度が85%を超えることが多いです。湿度が高いと塗料が固まりにくく、きれいに塗装を行えません。乾燥させるためにも、晴れの日に外壁塗装を行うのが望ましいです。
外壁に結露や霜が降りているとき
外壁に結露や霜が降りているときも、外壁塗装は行えません。結露や霜があるときに外壁塗装を行うと、はがれの原因になります。しっかり乾いた状態で塗装を行わないと、耐久性が落ちてしまいます。そのため、塗料メーカーが推奨する環境下で外壁塗装を行いましょう。
条件や気温が外壁塗装の品質に影響する理由
湿度や気温などの条件が悪いと、なぜ外壁塗装に影響を与えるのでしょうか。条件や気温が原因で、外壁塗装に及ぼす理由を知っておくことが望ましいです。ここでは、湿度や気温が外壁塗装の塗料の品質に影響する理由を解説します。
塗料が固まらない
条件が悪い状態で外壁塗装を行うと、塗料が固まりづらくなります。外壁塗装の塗料は、溶剤に水を加えて塗りやすい状態にします。湿度が高い状態では、塗料がうまく外壁に浸透せずにはがれやすくなります。 また、気温が低いと早く乾かないため時間がかかります。品質によっても乾燥のスピードが異なり、水性塗料と油性塗料では油性塗料のほうが乾燥しやすいです。水性塗料の場合は蒸発までに時間がかかるため、油性塗料よりも気温と湿度に注意する必要があります。
はがれを引き起こす
気温や湿度を意識しないと、外壁のはがれの原因になります。外壁が結露した状態では、塗装をうまく行えません。結露は冬場でなくても、山間部などではよく発生します。温度変化が起こりやすい地域では、結露や霜を意識して外壁塗装を行う必要があります。
ツヤ引けが起こる
外壁塗装を行う際、うまく乾燥させられないとツヤがなくなります。ツヤ引きが起こらないようにするには早く乾燥させる必要があり、夜露にさらされないように工夫しなければなりません。
かぶり現象が起きる
塗料がうまく乾燥しないと塗膜が白くなることがあり、この状態をかぶりといいます。かぶりは油性塗料を使用する際に起こりやすく、結露が原因です。外壁塗装をきれいに仕上げるには、表面温度を急激に下げないことが大切です。
外壁塗装は10年を目安に施工しよう
外壁塗装は、10年を目安に行いましょう。基本的に塗料の寿命は10年のものが多く、寿命を過ぎると品質に影響を及ぼします。外壁の美観が悪くなったり雨漏りが起こったりするため、10年を目安に塗装するのが望ましいです。 何十年も外壁塗装を行わないと、見た目が悪くなり建築物の印象が悪くなります。それだけでなく、外壁に水が侵入して雨漏りになる可能性があります。尚、防水性の塗料を使用しても、ひび割れすると効果は発揮しません。 ひび割れは雨漏りだけでなく、白アリの侵入やカビの原因にもなります。こうした問題を防ぐには、10年を目安に外壁塗装を行わなければなりません。塗料の種類により耐久年数が異なるため、外壁塗料の品質を確認しましょう。
外壁塗装が必要な場合の判断基準
外壁塗装の目安は10年ですが、外壁に問題が起こった際はそれよりも早く塗装を行う必要があります。具体的にどのような判断基準で外壁塗装を行うべきか、いくつか紹介します。
チョーキング
外壁を触った際に白くなることをチョーキングといいますが、チョーキングが起こった際は外壁塗装のサインと考えましょう。チョーキングは塗料の効力が低下している状態であり、塗り直しが必要です。 チョーキングが起こった場合は、外壁の全体なのか一部なのかを確認する必要があります。一部のみのチョーキングならば、その部分だけ塗装不良が起こっています。チョーキングの状態を確認して、業者に依頼するかを判断しましょう。
ひび割れ
ひび割れを発見したら、外壁塗装を依頼しましょう。ひび割れにも強度があり、ひび割れが深いものは早急に修繕する必要があります。深いひび割れを放置すると、カビや腐食の原因になります。 ひび割れは見た目だけでなく、品質に大きく影響します。ひび割れの深さがわからない場合は、業者に確認してもらうことをおすすめします。
塗膜のはがれ、ふくれ
塗膜のはがれやふくれは、腐食の原因です。経年劣化とともに塗膜ははがれますが、目安の10年よりも早くはがれた場合は、施工不良の可能性があるため検査が必要です。外壁塗装を行った際の気温や湿度が適切でないと、塗料の寿命が短くなり塗膜がはがれます。 また、耐用年数が長い塗料を選ぶとはがれにくくなります。外壁塗装のはがれは雨漏りを引き起こすため、業者に塗膜の状態を確認してもらいましょう。
シーリングのひび割れや破損
シーリングのひび割れや破損は、外壁のひび割れほど心配する必要はありません。しかし、シーリングのひび割れも長期間放置しすぎると、台風や大雨の際に水が侵入する可能性があります。シーリングにも寿命があるため、ひび割れや破損が気になる方は業者に相談しましょう。
外壁の破損
外壁が破損した際に、塗装してもらう方法もあります。どのくらい外壁が破損しているかにもよりますが、外壁が破損した際は基本的に塗装の依頼を検討しなければなりません。
まとめ
今回は、外壁塗装にふさわしい季節や時期について解説しました。気温や湿度の条件を守ると、どの季節でも外壁塗装を行えます。環境や時期によりメリット・デメリットが異なるため、ご自身の住んでいる地域を考えて業者に依頼しましょう。
■記事執筆者
彩玉建装株式会社 代表者 須藤 恵佑■施工実績(去年)
・戸建て 60棟 ・アパート 10棟 ・マンション 3棟■関連資格
・1級建築施工管理 ・1級塗装技能士 ・雨漏り診断士 ・外壁診断士 ・カラーコーディネーター など■塗装業界歴
18年間■コラムを発信する理由
「家が痛んできたな」「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」と考えたときにまず悩むのが「どこにお願いするか」ということではないでしょうか? ・塗装専門店・見積りサイト・ホームセンター・住宅メーカー(工務店)・野立て看板など... 情報の多さに気後れしまう方が少なくありません。 そして、この業界には定価や相場が存在しません。見積金額や施工業者の良し悪しなどについては驚くほど様々です。 外壁を塗る塗料については「半製品」です。職人が手作りで工事を進め「完成品」となります。私は何より施工店の質が重要だと考えております。 私はこの不透明な業界で従事する者ですが、より正確な情報を発信出来ればと存じております。また限りあるお金を意味のある塗装工事に使って欲しいという思いです。■施工エリア
<埼玉県> 杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、吉川市、さいたま市、幸手市、久喜市、加須市、白岡市、蓮田市、鴻巣市、羽生市、上尾市、桶川市、北本市 <茨城県> 境町、五霞町、古河市、坂東市、常総市、守谷市 <千葉県> 野田市、柏市その他のコラム
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