
外壁塗装の下塗りの重要性!役割と下塗り塗料の種類を紹介

外壁塗装の下塗りの重要性!役割と下塗り塗料の種類を紹介
外壁塗装の「下塗り」の重要性についてご存じでしょうか。費用をおさえるために下塗りを行わない方がいますが、外壁塗装を行う際は必ず下塗りを行わなければなりません。 そこで今回は、外壁塗装の下塗りの役割や重要性について解説します。下塗りに使用する塗料の種類、特徴についても紹介します。外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の下塗りとは

外壁塗装を行う場合は、上塗り・中塗り・下塗りの3回塗りが基本です。どの工程も省くことはできず、それぞれの工程にあわせて塗料を選ばなければなりません。下塗りをきちんと行わないと、施工トラブルの原因となり剥がれやふくれの原因になります。
外壁塗装の下塗りの重要性
外壁塗装の下塗りは、必ず行わなければなりません。下塗りを行わないと、高級な上塗り塗料を使用してもきれいな状態に仕上がりません。外壁塗装の下塗りは外壁部分だけでなく、手すりや屋根、ウッドデッキなども行います。 費用をおさえるために、下塗りを省こうと考える方がいますが、費用面で考えても下塗りを行わないと結果的に費用が高くなる場合があります。なぜなら、下塗りを行わないと耐久性が落ち、補修回数が増えるためです。 それでは、なぜ外壁塗装を行う際に下塗りを行うと、剥がれやふくれを防げるのでしょうか。外壁塗装の下塗りの塗料の役割については、次の章で解説します。
外壁塗装の下塗り塗料の役割

外壁塗装の下塗り塗料の役割はいくつかあります。下塗り塗料の役割を知ると、外壁塗装での下塗りの重要性が理解できるでしょう。ここでは、下塗り塗料の役割を5つ紹介します。
上塗り塗料を密着させる
下塗り塗料は、上塗り塗料を密着させる役割があります。そもそも上塗り塗料には、外壁に密着させる役割はなく、下塗り塗料を塗らないときれいに仕上がりません。上塗り塗料だけを塗っても、すぐに剥がれてしまいます。 下塗り塗料は、接着剤のような役割があると考えればよいでしょう。下塗り塗料を塗ることで、上塗り塗料との密着性が増して剥がれにくくなります。
外壁の補修・補強効果がある
下塗り塗料は、外壁の補修や補強効果があります。経年劣化で傷んでいる外壁に下塗りを行わず上塗り塗料を塗ると、塗料を多く吸い込みます。塗料の吸い込みを防ぐには、きちんと下塗りを行う必要があります。 上塗り塗料を吸い込みすぎると、見栄えだけでなくひび割れの原因になります。下塗り塗料は上塗り塗料の吸い込みを防ぎ、補強効果を高められます。
塗装の機能を向上させる
下塗り塗料は、塗装の機能を向上させます。上塗り塗装の役割でもある防カビ機能や防サビ機能、遮熱機能などが、下塗りを行うことで効果をさらに高められます。下塗り塗料は、使用する上塗り塗料の種類に応じて選んでください。 下塗り塗料の塗布量は、塗料の各メーカーが示しています。塗布量をきちんと守ることで、仕上がりに影響します。
外壁塗装の耐久性が上がる
下塗り塗装を行うことで、外壁に厚みができ耐久性を上げられます。上塗り塗装だけでは十分な厚みがなく、少し塗料が剥がれるだけですぐに外壁に水が浸透してしまいます。下塗り塗料は水を防ぐ役割があると同時に、厚みをまして耐久性を上げる役割があります。 塗料の厚みを増やさなければ、傷んだ壁に水がすぐに浸透します。とくに長年外壁塗装を行っていない建物の場合は、下塗りの重要性は非常に高いです。
元の色を隠し、仕上がりの質を上げる
下塗りは、もとの外壁の色を隠す効果もあります。外壁が汚れていた場合、上塗り塗装だけでは完全に隠せません。外壁を隠す際に白色の下塗り塗料がよく使用されますが、上塗り塗装の種類や塗装の目的に応じて、下塗り塗料を選ぶときれいに仕上がります。
外壁塗装の下塗りをしない場合のデメリット
外壁塗装は、色だけを塗り直すことが目的ではありません。ここでは、外壁塗装の下塗りを行わないデメリットについて解説します。
外壁塗装の耐久性を保てない
外壁塗装で下塗りを行わないと、耐久性を保てません。下塗りを行うことで、上塗り塗料と下塗り塗料の密着性が増します。外壁に少し衝撃を与えた場合、密着性が弱いとすぐに塗料が剥がれます。 外壁塗装は、時間とともに傷みます。下塗りを行っても時間が経てば剥がれますが、下塗りを行うかどうかで傷むスピードが異なります。傷んだ外壁の場合、一度の下塗りで吸い込みをおさえられないことがあります。その場合は下塗りを2回行う必要があるため、外壁の状態を業者に確認してもらわなければなりません。
色ムラなど仕上がりが悪化する
外壁塗装の下塗りを行わないと、色ムラになり見た目が悪くなります。下塗りを行わないと塗料が外壁に広がらず、ムラができてしまいます。高級な上塗り塗料を使用しても、下塗りを行わないと見た目がよくなりません。
外壁塗装の下塗りの種類
外壁塗装の下塗りを行う際は、目的に応じて下塗り塗料の種類を選択しなければなりません。ここでは、シーラーとプライマー、フィラーの3種類の下塗り塗料について解説します。
シーラー
下塗り塗料であるシーラーは、密着性を高める効果があります。シーラーとは英語で訳すと、「覆い隠す」や「接着する」といった意味です。密着効果の高いシーラーを使用すると、傷んだ外壁への塗料の吸い込みを防げます。外壁が傷んでいる場合は、2度塗りするときれいに仕上がるためおすすめです。 シーラーは、油性タイプと水性タイプの2種類に分かれます。油性タイプのシーラーは塗料独特の臭いが強いですが、吸い込みを防ぐ効果が高いメリットがあります。水性のシーラーは乾燥するのに時間がかかりますが、臭いは比較的少ないです。 また、シーラーは下地の材質により使用できないことがあります。モルタルやコンクリート、石膏ボードなどでよく使用されますが、それ以外の下地の場合は油性タイプを使用するケースが多いです。
プライマー
シーラーとプライマーは、とくに区別されていません。メーカーにより同じ扱いとして使用するケースがあるため、同じ特徴と考えればよいでしょう。 プライマーの塗料のなかには、錆止めプライマーとして販売しているケースがあります。通常のプライマーにはさび落としの効果はないため、使用する塗料によってはサビをきれいにしてから塗装を行わなければなりません。
フィラー
フィラーは、シーラーやプライマーと比べると粘り気のある塗料です。フィラーは凹凸のある外壁に使用されることが多く、外壁が平らでない場合に効果を発揮します。凹凸のある外壁は、粘り気のある下塗り塗料を選ぶことでひび割れを防げます。 フィラーはシーラーやプライマーと比べて、厚く塗らなければなりません。フィラーは外壁を守るだけでなく、厚く塗装を行うことで柄や模様をつける際にも利用されます。
外壁塗装の下塗りをしなくてもよいケース
下塗りを行わなくてもよいのは、下塗り不要の上塗り塗料を使用する場合です。上塗り専用の塗料で塗装すると、外壁になじまずムラができてしまいます。そのため、下塗りを行わない場合は下塗り不要の塗料を使用しましょう。 下塗り不要の上塗り塗料を使用しても、費用が安くなるわけではありません。下塗り不要の上塗り塗料を使用しても、もとが下塗り塗料のほうが安いため、極端に安くなることはないでしょう。また、下塗り不要の塗料を使用すると再塗装になる可能性もあり、塗料が剥がれてムラが出ると、結果的に費用が高くなります。 下塗り不要の上塗り塗料は、大手メーカーはあまり量産していません。外壁の品質を保証するには、下塗りを行うのが基本です。下塗り不要でも問題ない場合は、下塗り不要の上塗り塗料がよく使用されます。しかし、多くの業者は下塗りを3回行うことを基本としています。
外壁塗装の下塗りの費用相場

外壁塗装の費用相場は、外壁の大きさや使用する塗料、足場の設置、高圧洗浄などいくつかの条件により大きく異なります。目安としては、1㎡あたり700〜1,000円になることが多く、業者を探す際は目安を参考に探しましょう。 一般的な2階建ての住宅(200㎡)の場合は、100万円前後の費用がかかります。業者によってもサービスの内容が異なるため、複数の業者に見積り依頼することをおすすめします。
外壁塗装の下塗りにかかる日数
外壁塗装の下塗りにかかる日数は、3~4日と考えましょう。しかし、マンションや家の外壁の大きさにより、日数は異なります。外壁塗装全体が完了するまでにかかる日数は戸建ての場合、10~14日程度かかることが一般的です。アパートの場合は、3~4週間ほどかかるといわれています。天候などでも工期が延びるため、予定よりも工期が延びることを想定しておく必要があります。 外壁塗装を依頼した際は、現場調査に1日、施工の見積りに2~3日、契約に1日、足場の設置に1日、高圧洗浄に1日、下地処理に1日、養生に2日、下塗りで3~4日、中塗りで3~4日、上塗りで3~4日かかります。 外壁塗装が完了した後も検査や手直し、足場の解体などを含めると2〜3日かかります。どのくらいの日数になるかは契約を結ぶ前に、業者に目安の日にちを確認することが重要です。
外壁塗装の下塗りは何回塗るのか?
外壁塗装は、基本的に3回塗りが基本です。下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ1回ずつ塗り、全体的にムラが出ないように行います。しかし、塗装する外壁が大きく傷んでいる場合は、下塗りを2回行うケースもあります。 下塗りを2回行う場合は、シーラーを使用して密着力を高めます。1回の下塗りだけだと、下塗り塗料の効果が発揮できず、剥がれやムラの原因になります。長期的に外装をきれいに保つには、外壁の状態に応じて塗装回数を変えなければなりません。
外壁塗装の下塗りは正しい塗布量でおこなう
外壁塗装での下塗りは、正しい塗布量で行う必要があります。使用する塗料メーカーが推奨する適切な量でないと、本来の塗料の性能を発揮できません。外壁塗装の仕上がりや耐久性を上げるためには、塗布量を守ることは必要不可欠です。 塗布量が少なすぎる場合は、外壁をうまく下塗り塗料でコーティングができず、ひび割れの原因になります。仮に塗布量が多すぎると全体の下塗りのバランスが崩れ、ムラができます。 外壁塗装を依頼しても、適切に塗布量を守らない業者も存在します。長年の経験から目分量で塗布量を決めたり、材料費を抑えるために塗布量を減らしたり、悪徳業者も存在するため注意が必要です。外壁の仕上がりをよくするには、きちんと丁寧に作業を行う業者を探す必要があります。
外壁塗装の下塗りをおこなっているかの確認方法
業者に外壁塗装の下塗りを依頼しても、本当に下塗りを行ったかは初心者の方には判断しづらいです。業者が外壁塗装の下塗りを行ったかを判断する方法は、主に3つあります。 下塗りを行ったか判断する方法の一つ目は、見積り書を確認する方法です。作業完了後に見積りの記載に下塗り塗料の料金が含まれていない場合は、下塗りを行っていない可能性があります。 下塗りを行ったか判断する方法の二つ目は、作業工程表や進捗状況を確認する方法です。現場の状況を適宜確認することで、本当に下塗りを行っているかを判断できます。確認できない場合は、下塗りを完了したら連絡を入れてもらいましょう。 下塗りを行ったか判断する方法の三つ目は、中塗りの塗料の色を変えてもらう方法です。中塗りの塗料と下塗りの塗料を同じにすると、初心者の目では判断がつきません。下塗りの塗料は白色であることが多いため、中塗りの色を白以外にすると下塗りを行ったかすぐにわかります。
まとめ
今回は、外壁塗装の下塗りの役割と重要性について解説しました。外壁塗装を行う場合は、下塗りを行わないと外壁の外観をきれいに保てなくなるだけでなく、ひび割れや雨漏りの原因になります。塗料にもいくつか種類があるため、耐久性や塗料の費用などを総合的に考えて下塗りを行いましょう。
■記事執筆者
彩玉建装株式会社 代表者 須藤 恵佑■施工実績(去年)
・戸建て 60棟 ・アパート 10棟 ・マンション 3棟■関連資格
・1級建築施工管理 ・1級塗装技能士 ・雨漏り診断士 ・外壁診断士 ・カラーコーディネーター など■塗装業界歴
18年間■コラムを発信する理由
「家が痛んできたな」「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」と考えたときにまず悩むのが「どこにお願いするか」ということではないでしょうか? ・塗装専門店・見積りサイト・ホームセンター・住宅メーカー(工務店)・野立て看板など... 情報の多さに気後れしまう方が少なくありません。 そして、この業界には定価や相場が存在しません。見積金額や施工業者の良し悪しなどについては驚くほど様々です。 外壁を塗る塗料については「半製品」です。職人が手作りで工事を進め「完成品」となります。私は何より施工店の質が重要だと考えております。 私はこの不透明な業界で従事する者ですが、より正確な情報を発信出来ればと存じております。また限りあるお金を意味のある塗装工事に使って欲しいという思いです。■施工エリア
<埼玉県> 杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、吉川市、さいたま市、幸手市、久喜市、加須市、白岡市、蓮田市、鴻巣市、羽生市、上尾市、桶川市、北本市 <茨城県> 境町、五霞町、古河市、坂東市、常総市、守谷市 <千葉県> 野田市、柏市その他のコラム
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