
外壁補修が必要な状態とは?補修方法と費用相場を紹介


外壁は時間の経過とともにひび割れやへこみ、カビ、剥がれなどが生じるため、外壁を補修するタイミングを知っておく必要があります。外壁が傷んでいるのに放置すると、雨漏りやシロアリが発生して大がかりな工事が必要になる場合もあります。 そこで今回は、外壁補修の方法や費用相場について解説します。外壁補修の劣化ケースに応じて費用相場を紹介するため、外壁補修を検討している方はぜひ参考にしてください。
外壁補修をおこなうべきタイミング

外壁補修の行うタイミングは、どのような劣化が生じているかにより異なります。また、外壁に使用している素材により耐用年数が異なるため、外壁の状態を見極めてタイミングを考えなければなりません。 どのような素材でも、10年後には外壁の状態を確認するのが望ましいです。耐用年数が10年の素材を使用しても、5年以内に外壁が傷むケースもあります。外壁に異変を感じた場合は、外壁補修をおこなうタイミングと考えましょう。 外壁でよく使用される素材として、アクリルやウレタン、シリコン、フッ素などがあります。それぞれの耐用年数は、アクリルの場合6~7年、ウレタンの場合8~10年、シリコンの場合12~15年、フッ素の場合15~20年です。
外壁補修が必要な理由とは
外壁補修をおこなわず放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。外壁にひび割れや穴などがある場合、長時間放置すると雨漏りになる可能性があります。損傷している部分から水が侵入するため、ひび割れや穴がある場合は早急に補修する必要があります。 外壁が損傷していると、シロアリが発生するリスクもあります。シロアリは湿った部分を好むため、ひび割れを放置するとシロアリが増えてしまいます。シロアリが発生すると、業者にシロアリを駆除してもらう必要があり、高額な費用がかかります。 外壁が損傷する原因は、経年劣化もありますが施工不良の場合も考えられます。外壁に適さない塗料で塗装すると、本来の耐用年数よりも短い期間で塗装が剥げます。外壁塗装を行う際は、優良な業者を探して依頼しましょう。 現在の外壁の状態が気になる方は、メンテナンスを依頼してください。外壁補修のスパンは基本的に10年ですが、外壁の材質や環境により早く傷むケースも考えられます。台風がよく発生する地域や寒暖差のある地域、雪がよく降る地域などは、比較的早く外壁が傷みます。そのため、大きなトラブルに発展する前に業者に相談するのが望ましいです。
外壁を補修するべき状態と補修方法、費用相場

外壁の状態に応じて、費用相場や補修方法が異なります。それぞれの劣化の種類に応じて、どのような補修方法を行うのかを具体的に解説します。
ひび割れ
建築物の外壁にひび割れが生じることがあり、ひび割れを放置すると水の侵入リスクが高まります。ひび割れの幅の大きさにより緊急性が異なるため、どのくらいひび割れているかを確認する必要があります。 ひび割れは、外壁の乾燥や塗膜の劣化などにより生じます。地震や台風などの影響により、少しずつ傷んでいくため、定期的なメンテナンスが必要です。ひび割れの費用相場は、ひび割れの深さや幅で決定されます。 ひび割れの状態が1mm以下の場合は、とくに緊急性はありません。外壁の機能は保たれていますが、ひび割れを直すことは必要です。ひび割れを補修する際は、外壁塗装も同時に行うのが望ましいです。 ひび割れの状態が1mm程度で、深さが5mm以上ある場合は外壁補修が必要です。外壁が歪んでいる可能性があり、放置するとさらに被害が拡大します。 ひび割れの状態が1mm以上で傷が深く段差がある場合は、早急な補修が必要です。段差がある場合は深刻な状態であり、雨水が侵入している可能性があります。さらに被害が拡大すると、補修費用が高額になるため早急の対応が求められます。
費用相場
外壁のひび割れを補修する際は、何箇所補修するかにより費用が異なります。1箇所の補修の場合は、1万円~10万円前後になるケースが多く、ひび割れの深さにより料金が前後します。また、段差ができるほどのひび割れの場合は、補修するだけで30万円以上もかかる場合があります。 外壁のひび割れを補修する場合は、外壁塗装と同時に行うケースが多いです。外壁塗装の費用は、1㎡あたり1,700円~5,000円になると考えればよいでしょう。
コーキングの割れ、劣化
コーキング(シーリング)が、やせてきたりひび割れたりすると補修が必要です。コーキングは古いコーキングを取り除く「打ち替え」と、もともとあるコーキングの上からコーキングを塗る「増し打ち」という方法があります。 打ち替えと増し打ちには、どちらにもメリット・デメリットがあります。打ち替えでコーキングを取り換える場合は、コーキングの材料が同じなため長期間効力を発揮できます。しかし、古いコーキングを除去する必要があるため費用が高くなるデメリットがあります。 増し打ちでコーキングを補強する場合は、費用が安く済みます。しかし、古いコーキングの上から新しいコーキングを塗るため、コーキングを長期的に保たせたい方は打ち替えのほうがよいです。コーキングの補修を依頼する際は、打ち替えか増し打ちかメリット・デメリットを考えて検討しましょう。
費用相場
コーキングを打ち替えで行う場合の費用は、1mにつき900~1,200円ほどです。コーキング費用に加えて、古いコーキングを除去するための費用が必要です。除去費用は、1万円~3万円ほどとかかります。 コーキングを増し打ちで行う場合の費用は、1mあたり500~900円ほどかかります。増し打ちの場合は、撤去する必要がないため撤去費用はかかりません。 上記の費用は目安であり、コーキングの種類や建築物の大きさにより費用は前後します。高所のコーキングを補修する場合は足場を設置しなければならないため、足場の設置費用が必要なケースもあります。
鉄部のサビ
鉄部分にサビが発生しているときは、補修が必要です。鉄部分のサビは穴が空いて劣化の原因になるため、サビ落としを行わなければなりません。数年しか経っていないのに鉄部のサビが進行している場合は、サビ止め塗料が塗られていない可能性があります。サビを落とした後にサビ止め塗料を塗ることで、長期間サビになることを防げます。
費用相場
サビを落とす作業とサビ止め塗料を塗る作業の費用は、1㎡あたり500~1,000円程度です。サビの状態がひどい場合は、1㎡あたり2,000円程になることもあります。鉄部分の材質によっては、サビを落とすよりも交換したほうが安くなるケースがあります。サビを落とすべきか、丸ごと変えるべきかどうかは、業者と相談して決めましょう。
穴、欠け、凹み、傷
外壁が劣化する状態は、ひび割れだけではありません。穴や欠け、凹み、傷などがあると、外壁補修が必要であり、外壁の劣化を放置すると水の侵入リスクが高まります。 補修方法は、パテなどで外壁と近い色で塗り替える方法があります。外壁の種類や業者により補修方法が異なるため、費用相場が前後します。今の状態で補修すべきかわからない場合は、業者にメンテナンスしてもらうのが望ましいです。
費用相場
穴や欠け、凹み、傷などを補修した場合の費用は、1箇所につき1万円~6万円程度かかると考えましょう。補修箇所が多い場合は費用が高額になるため、外壁の劣化をみつけた時点で業者に相談しましょう。穴や欠けを放置すると、状態が悪化して修繕が困難になります。
色褪せ
色褪せも、外壁の劣化の一つです。色褪せは建築物の見た目が悪くなるだけでなく、塗料の効果が弱くなっているサインでもあります。塗料の効果が弱くなると、本来水を弾く効果や衝撃を防ぐ効果などを発揮できなくなるため、新たに塗装しなければなりません。
費用相場
外壁が色褪せした場合は、外壁塗装をします。外壁塗装の費用は、1㎡あたり1,700~5,000円が相場です。塗料や外壁の種類に応じて、費用が前後するケースもあります。また、外壁塗装は足場を設置する必要があるため、足場の設置費用も追加でかかります。色褪せは、コーキングの補修やひび割れの修繕と同時に行われることが多いです。
チョーキング
外壁を手で触ってみると、チョークのような白い粉がつくことがあります。この現象をチョーキングといい、塗料が劣化しているサインです。防水性が失われている可能性があるため、塗料の塗り直しを行わなければなりません。
費用相場
チョーキングの補修は、高圧洗浄と塗装の2つの費用がかかります。高圧洗浄は1㎡あたり200~500円で、外壁塗装も1㎡あたり200~500円かかります。耐用年数の長い塗料を使用すると、費用はさらに高くなります。
カビ、藻、コケ
カビや藻、コケを放置すると建物が劣化します。湿気の多い場所にコケや藻が発生しやすく、外壁の防水機能が失われている可能性があります。高圧洗浄で洗浄して塗料を塗り直すなど、状況に応じて補修方法を考えなければなりません。
費用相場
高圧洗浄などできれいにする場合は、1㎡あたり200~500円ほどかかります。高圧洗浄代以外にも、飛散防止ネット代や養生代などもかかるため、追加で2万円~5万円かかると考えましょう。高圧洗浄後に外壁塗装を行う場合は、さらに外壁塗装代が必要です。
浮き、反り、ふくらみ、塗膜のはがれ
浮き、反り、ふくらみ、塗膜のはがれが起こった場合は、外壁補修を行いましょう。これらの現象は、塗膜の効果がきちんと発揮できていない可能性があります。塗膜が完全に剥がれていると、内部に水が侵入している可能性があるため、外壁を塗装し直さなければなりません。
費用相場
外壁を塗装する場合、部分的に塗装を行うだけで補修が完了するケースもあります。部分的な補修の場合は、15万円~40万円ほどで補修してもらえるでしょう。しかし、外壁に水が侵入している場合は、100万円を超えるケースもあります。大きなトラブルになる前に、業者に調査してもらうのが望ましいです。
外壁補修は、業者にお任せするのがおすすめ

外壁塗装は、DIYで行うことも可能です。ホームセンターに行くと、外壁補修のツールキットがセットで売られているため、ご自身でも外壁補修が可能です。しかし、塗料やコーキングの種類、工具の使用方法、外壁補修を行うべきかの緊急性を判断するには専門知識が必要です。専門知識や技術を有する職人に任せることでスムーズに作業を進められるため、時間や費用面でも業者に依頼するメリットは高いです。 外壁補修を検討している方は、まずは業者に現地調査を依頼しましょう。現地調査をすることで、どのくらい外壁が傷んでいるか専門家の意見をもらえます。DIYでは直せないケースもあるため、丁寧に作業をしてくる優良業者に任せるのがおすすめです。
まとめ
今回は、外壁補修が必要な状態について解説しました。劣化の状態により、補修方法や費用相場は異なるため、まずは外壁の状態を確認してください。専門知識がないと外壁の状態を詳しく調べられないため、外壁補修を検討している方は業者に現地調査を依頼しましょう。
■記事執筆者
彩玉建装株式会社 代表者 須藤 恵佑■施工実績(去年)
・戸建て 60棟 ・アパート 10棟 ・マンション 3棟■関連資格
・1級建築施工管理 ・1級塗装技能士 ・雨漏り診断士 ・外壁診断士 ・カラーコーディネーター など■塗装業界歴
18年間■コラムを発信する理由
「家が痛んできたな」「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」と考えたときにまず悩むのが「どこにお願いするか」ということではないでしょうか? ・塗装専門店・見積りサイト・ホームセンター・住宅メーカー(工務店)・野立て看板など... 情報の多さに気後れしまう方が少なくありません。 そして、この業界には定価や相場が存在しません。見積金額や施工業者の良し悪しなどについては驚くほど様々です。 外壁を塗る塗料については「半製品」です。職人が手作りで工事を進め「完成品」となります。私は何より施工店の質が重要だと考えております。 私はこの不透明な業界で従事する者ですが、より正確な情報を発信出来ればと存じております。また限りあるお金を意味のある塗装工事に使って欲しいという思いです。■施工エリア
<埼玉県> 杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、吉川市、さいたま市、幸手市、久喜市、加須市、白岡市、蓮田市、鴻巣市、羽生市、上尾市、桶川市、北本市 <茨城県> 境町、五霞町、古河市、坂東市、常総市、守谷市 <千葉県> 野田市、柏市その他のコラム
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