ひとことで塗料といっても、外壁塗装で使う塗料には、実はさまざまな種類が存在します。それぞれ特徴や価格などが異なるため、外壁塗装を行う場合は、色だけでなく塗料の性質も考慮しなければなりません。
本記事では、これから外壁塗装を考えている方に向けて、塗料の種類や特徴、価格、選び方のポイントについてご紹介します。塗料選びの際に、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の必要性とは
外壁塗装は、美観を保つためだけのものではありません。さまざまな要素から住まいを守る、重要なメンテナンス作業です。建物は太陽、雨、風、汚れなどの環境要因に常にさらされています。外壁塗装は、これらの環境要因から建物を守る役割があります。
塗装が無い状態では、建物が劣化しやすくなり、高額な修理費がかかることになりかねません。日焼け止めが有害な紫外線から肌を守るように、塗装はサイディングの反りや色あせを引き起こす太陽の有害な光線から家を守ります。したがって、建物を守り、長く使用するためには、定期的な外壁塗装などのメンテナンスが必要です。
外壁塗装の塗料の種類
塗料の種類と耐用年数、平均価格を表にまとめました。塗料の種類を決めるときは、下記を参考に検討してみてください。
塗料の種類 | 期待耐用年数 | 1平方メートルあたりの施工価格の平均 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5〜7年 | 1,400〜1,700円 |
ウレタン塗料 | 10〜12年 | 1,700〜2,200円 |
シリコン塗料 | 12〜15年 | 2,300〜3,000円 |
ラジカル塗料 | 14〜16年 | 2,500〜3,000円 |
フッ素塗料 | 15〜20年 | 3,500〜4,500円 |
無機塗料 | 18〜23年超 | 3,800〜5,000円 |
アクリル塗料
アクリル塗料は、アクリル樹脂から生成される塗料です。住宅用の塗料の中では、もっとも耐用年数が短い種類となっています。
そのため、塗替え時には使用されることがほとんどありません。しかし、価格が安いことから新築工事の際に費用を抑えるために使用されることがあります。また、雨が掛からない部分や耐候性を求めていない部分(天井や室内)に使用されるケースがあります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はグレードがアクリル塗料より高く、シリコン塗料より低い塗料です。塗替え時には積極的には採用されませんが、住宅では雨どい等の付帯部や木部・鉄部の塗装などによく使われています。
ウレタン塗料は密着性が高く、木材・塩ビ素材・鉄など幅広い下地に塗装可能です。
シリコン塗料
シリコン塗料は、耐熱性・耐水性・耐候性に優れる塗料です。セラミックと呼ばれる成分が配合されているため、屋根や外壁に塗装することで汚れにくくなり、長期間住まいの美観を保てます。また、長持ちする塗料のため頻繁に塗り替える必要がなくなり、メンテナンスにかかるコストも削減できるでしょう。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は、光安定剤や高耐候酸化チタンが配合された塗料です。外壁が劣化したときに生じる「チョーキング」の発生を抑制する効果など、高い機能性を有しています。塗料自体も安価かつ長持ちしやすいためコストパフォーマンスに優れており、下地を選ばず幅広い外壁に馴染みやすい特徴があります。
フッ素塗料
フッ素樹脂塗料は、耐久性・耐候性・親水性・耐摩耗性などに優れる塗料です。塗膜が長持ちしやすいため頻繁に塗り替える必要が無く、耐候性が高いため色もあせにくいです。また、雨で簡単に汚れが落ちやすく、光沢も長続きします。
無機塗料
無機塗料は、セラミックやケイ素など、無機物を主成分とする塗料です。無機物は紫外線による劣化に強いことから、耐久性、耐候性に優れており、海の近くの建物や公共性の高い建物などで多く使用されています。カビやコケなども発生しにくく、汚れもつきにくいため建物の美観が長期的に維持できます。塗料の値段は高価なものの、塗り替えの回数が少なく済むため、長期的な視点でみるとコストパフォーマンスに優れるケースもあります。
外壁塗装の塗料に関する基礎知識
自分の家に合った塗料を選ぶ際には、塗料に関する基本的な成分や性質を理解しておきましょう。これにより、十分な情報を得た上で、最適な塗料を判断できます。
外壁塗料の成分内容
外壁塗料は、「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶媒」の4つの成分で構成されています。
顔料
顔料は、塗料に色をつけるための成分です。塗装の見た目を決定する重要な要素です。
樹脂
のりと同じように、合成樹脂は顔料粒子を結合させ、塗料が壁に付着するのを助けます。塗料の耐久性を左右する要素といえます。
添加剤
添加剤は、塗料の特性を高めるための成分です。乾燥時間、流動性、カビや紫外線に対する耐性など、特定の特性を向上させるために添加します。
溶媒
溶剤は樹脂を溶かしたり薄めたりするための液体です。溶媒は水と溶剤で構成され、溶剤には炭化水素やアルコールなどの種類があります。
外壁塗料の性質
顔料や添加剤で構成される外壁塗料ですが、そのままでは使用できず、薄めて使う必要があります。どのようなもので薄めるかによって2種類の性質に分類されます。
水性塗料
塗料を薄めるために水を配合したものを水性塗料と呼びます。油性塗料と違い、水を使うため特有の刺激臭が少なく、VOC(揮発性有機化合物)含有量も少ないため環境に優しい塗料です。技術の進歩により、水性塗料でも油性と同じぐらいの耐久性を保てることから、外壁塗装では水性塗料が多く使用されます。
油性塗料
塗料を薄めるために溶剤を配合したものを油性塗料と呼びます。溶剤を混ぜているため臭いが強いですが、耐久性が高く艶があるため、屋根の塗装などでよく使われています。
外壁塗料の光沢性
外壁塗料の光沢性とは、塗料が光をどれだけ反射するかを指します。光沢性の高い塗料ほど光沢があり、耐久性も高い傾向にあります。一方で、高光沢の塗料は、表面のキズや汚れが目立ちやすい傾向があります。高光沢の塗料を使いたい場合は、色合いを調整するなどでキズや汚れが目立ちにくい色に調整するとよいでしょう。
また、壁の材質や、これまで外壁塗装をしたことがあるかなどによっても変わってくるため、不安な場合は専門業者に相談すると安心です。
外壁塗装の塗料の選び方
外壁塗装の塗料を選ぶときには、3つのポイントがあります。具体的には「付加機能」「耐久性」「価格」の3つです。ここでは、選び方のポイントをご紹介します。
付加機能で選ぶ
塗料には、汚れにくい、コケがつきにくいなど、さまざまな付加機能がついています。どのような機能が必要かは、住んでいる場所や日当たり、気候条件などによって異なります。
遮熱機能
暑い地域に住んでいて、家を涼しく保ちたいなら、遮熱機能を持つ塗料を検討してみましょう。このタイプの塗料は、太陽光をより多く反射し、塗装面の温度上昇を抑制します。壁から室内に熱が伝わりにくくなるため、屋根や外壁に塗布することで夏場でも室温が上がりにくくなります。シリコン塗料やフッ素樹脂塗料は、遮熱性に優れています。
断熱機能
塗装面の熱を伝えにくくし、屋根や外壁に塗布することで、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせる塗料です。
弾性機能
壁にひび割れがある場合や、温度変化の激しい地域に住んでいる場合は、弾性機能を持つ塗料を検討しましょう。このタイプの塗料は、塗膜の伸びがよいため複雑な形状の壁材にもよく馴染み、亀裂などから水が浸入することを防止する効果が期待できます。
期待耐用年数で選ぶ
期待耐用年数とは、塗り替えが必要になるまでにどれくらいの期間が必要かを指します。耐久性を重視するのであれば、18~23年の耐久性を持つ無期塗料がよいですが、コストは高くなります。低予算で塗り替えを検討される方は、コストパフォーマンスに優れるシリコン塗料やラジカル塗料を検討するとよいでしょう。
価格で選ぶ
塗料の価格は、種類や品質によって大きく異なります。シリコンやラジカル塗料などはコストパフォーマンスに優れるため、価格と耐久性どちらも重視したい場合におすすめです。優れた耐久性と追加機能にもっと投資してもいいという方は、フッ素樹脂や無機塗料を検討してみてください。
外壁塗装の種類で迷ったら「彩玉建装」へ相談
外壁塗装をお考えの方は、ぜひ一度、彩玉建装にご相談ください。弊社は下記のような万全の体制で、一人ひとりのお客様に寄り添った施工をお約束いたします。
工程ごとのご報告で安心と信頼をお届けします
外壁の塗装で問題となりがちなのが、手抜き工事です。外壁の塗装や修繕などの工事は、お客様の目が届きにくく、専門的な知識が必要です。特に外壁塗装の場合は、家屋の周りは足場で覆われているため、適正な作業が行われているかをお客様が確認することは困難です。
弊社の工事では、こうしたご不安を解消するため、LINEやメールにて日々の工事状況をご報告しています。お客様は工事の進捗や、工事が適切に実施されているかを確認できるため、透明性が確保され、安心して工事をお任せいただけます。
カラーシミュレーションやサンプル板で「イメージと違う」を防ぎます
外壁塗装の懸念点のひとつは、お客様ご自身のイメージと、施工完了後のお家のカラーが違うことです。塗り終わってからでは取り返しがつかないうえ、大切なお家で楽しく暮らしていただくためにも、弊社ではこうしたミスマッチは可能な限り防ぎたいと考えています。
このようなミスマッチを防ぐ手段のひとつとして、弊社ではカラーシミュレーションによる確認を行っています。専用のアプリで色見や配色を確認していただきます。しかしながら、画像と実物では若干色見が異なって見えることがあるため、ご不安な方には実際に塗装してあるサンプル板をご用意しております。またカラーコーディネーターも在籍しておりますので適切なアドバイスもさせていただきます。「後悔のない色選び」を全力でサポートいたします。
直接のご契約のため余計な工事費用を削減できます
外壁塗装や修繕工事を、リフォーム業者やハウスメーカーに依頼する方も多いのではないでしょうか。しかし、こうした業者に依頼した場合でも、実際に作業を行うのは下請け業者であることがほとんどです。そのため、中間マージンが発生し、お客様に余計な費用をご負担いただくことになります。
弊社の工事は、仲介業者を挟まず、すべての工程を一貫して自社で行っています。中間マージンが発生しないため、お客様は余計な費用をご負担いただく必要がありません。
オンラインでのご相談も可能です
facetime・Zoom・LINEなどのツールを活用したオンラインでのお打ち合わせも可能です。お客様のご都合に合わせて、ご自宅にいながら対面と同様のお打ち合わせができます。
▶オンライン相談ページはこちら
弊社では、自社での一貫した工事と、透明性の高い工事報告でお客様に安心して工事をお任せいただけるよう、上記以外にもさまざまな取り組みを実施しております。外壁塗装をお考えの方は、ぜひ一度、ご相談ください。
まとめ
本記事では、塗料の種類や性質についてご紹介しました。外壁塗装で使う塗料を決める場合は、色や好みも大切ですが、塗料の性質を考慮することも非常に大切です。長持ちする塗装がよい、頻繁に塗り替えてイメージチェンジを楽しみたいなど、塗装に対しての考え方によっても、選ぶべき塗料は変わります。
また、住んでいる場所の気候や、建物の立地、過去に塗装をしたことがあるかどうかによっても塗料の選択肢が変わるため、自分だけで考えるのは少し難しいかもしれません。
したがって、外壁塗装の塗料選びで後悔しないようにするためには、信頼できる塗装業者に相談するのが最も良い方法といえるでしょう。
■記事執筆者
彩玉建装株式会社
代表者 須藤 恵佑
■施工実績(去年)
・戸建て 60棟
・アパート 10棟
・マンション 3棟
■関連資格
・1級建築施工管理
・1級塗装技能士
・雨漏り診断士
・外壁診断士
・カラーコーディネーター など
■塗装業界歴
18年間
■コラムを発信する理由
「家が痛んできたな」「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」と考えたときにまず悩むのが「どこにお願いするか」ということではないでしょうか?
・塗装専門店・見積りサイト・ホームセンター・住宅メーカー(工務店)・野立て看板など…
情報の多さに気後れしまう方が少なくありません。
そして、この業界には定価や相場が存在しません。見積金額や施工業者の良し悪しなどについては驚くほど様々です。
外壁を塗る塗料については「半製品」です。職人が手作りで工事を進め「完成品」となります。私は何より施工店の質が重要だと考えております。
私はこの不透明な業界で従事する者ですが、より正確な情報を発信出来ればと存じております。また限りあるお金を意味のある塗装工事に使って欲しいという思いです。
■施工エリア
<埼玉県>
杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、吉川市、さいたま市、幸手市、久喜市、加須市、白岡市、蓮田市、鴻巣市、羽生市、上尾市、桶川市、北本市
<茨城県>
境町、五霞町、古河市、坂東市、常総市、守谷市
<千葉県>
野田市、柏市