そろそろ外壁の塗り替えを検討しているけれども、初めての塗り替えなので誰に依頼したらよいのかもわからないし、相場もわからない…こんなお悩みをお持ちではありませんか?
この記事では、外壁塗装工事の価格相場や見積もりを依頼する際のチェックポイントを紹介しています。外壁塗装工事に定価はありませんが「相場」はあります。外壁の塗り替えを考えている方は、ぜひ読んでみてください。
外壁塗装工事の価格相場
一般的(30坪程度)な規模の戸建て住宅の外壁を塗装すると、70~90万円ほどかかります。これが外壁塗装工事の相場です。相場なので、外壁の広さや塗料の種類、劣化の度合いなどの要素により、価格は上下します。ただ、大まかにこのぐらいはかかるという認識でいれば間違いないでしょう。
外壁塗装工事・価格の内訳
外壁塗装工事の価格には、大きく「足場代」「塗料代」「人件費」、そして「利益」が含まれています。外壁塗装工事には、以下のように材料や資材が必要です。このことを理解すれば、異常に安い見積もりを出してくる業者がいかに怪しいかわかるでしょう。
足場代
外壁塗装をする際に必要になる足場。戸建て住宅でも高さが5m以上ある場合は、しかるべき資格を持った作業員に足場を組んでもらう必要があります。足場代が占める割合は、外壁塗装工事全体の2割程度です。
足場を組む面積は、住宅の外周の長さに約5mをプラスした数値に「高さ」をかけて算出します。1㎡当たりの足場代の相場は700~800円ほどです。外周が30m、高さ6mの戸建て住宅の場合は、(30+5)×6=210㎡。この数値に750円をかけると157500円。これが足場代です。
ちなみに、足場の周囲に張る飛散防止ネットの価格相場は、1㎡当たり100~200円。単価を150円とすると、150×228㎡=34,200円となります。
塗料代
現在、外壁塗装には「シリコン塗料」や「フッ素塗料」を用いるのが一般的です。そのほかにも耐用年数や性能の異なる塗料がたくさんあります。塗料の耐用年数や価格を表にまとめてみました。
塗料の種類 | 耐用年数 | 価格(缶単位) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 4〜7年程度 | 10,000円前後 |
ウレタン塗料 | 7~10年程度 | 12,000円前後 |
シリコン塗料 | 10~13年程度 | 15,000円前後 |
ハイブリッド塗料 | 12〜15年程度 | 20,000円前後 |
フッ素塗料 | 15〜20年程度 | 45,000円前後 |
無機塗料 | 15〜25年程度 | 50,000円前後 |
価格は製品によりかなり異なるので、あくまで目安ということでお考えください。
塗料選びは、耐用年数を考えることも大切ですが、住宅の立地や今後の住宅の利用方法なども考慮して選ぶようにしましょう。今後も長く同じ家に住みつづける場合は、耐用年数の長い塗料を選ぶと、メンテナンスコストは抑えられます。
人件費
外壁塗装工事の費用で、最も多くの割合を占めるのがこの人件費です。職人さんが仕事をするときにかかるお金です。外壁塗装では以下のような作業に対して人件費がかかります。表にまとめてみました。
作業内容 | 価格 |
---|---|
高圧洗浄 | 100~300円(㎡) |
養生 | 300~400円(㎡) |
施工費用 | 1,000~2,000円(㎡) |
シーリング打ち替え | 1,000~1,500円(m) |
シーリング増し打ち | 500~1,000円(m) |
雨樋塗装 | 1,000円前後(m) |
雨戸塗装 | 3,000~5,000円(枚) |
軒天塗装 | 1,000円前後(㎡) |
破風板塗装 | 700~1,200円(㎡) |
廃材処分費用 | 10,000~30,000円程度 |
管理費 | 40,000円前後 |
外壁塗装の見積もりをチェックする際のポイント
塗装業者それぞれ、見積もりの書式は異なりますが、塗装をお願いする側がチェックすべきポイントは同じです。ここからは、外壁塗装の見積もりをチェックする際のポイントをご紹介します。
足場代が含まれているか
足場の費用は、ご紹介したように、工事費用全体に占める割合が多い費用です。しかし、まれに見積もりに足場代が書かれておらず、別に請求する形で出される見積もりもあるようです。このような見積書はあまり感心しません。ほかにも隠れたコストがかかる可能性があるので、気をつけましょう。
また、「足場の費用はおまけします」などという業者も信用してはいけません。足場代をおまけでタダにしてしまうことなど、まっとうな業者ならできません。なぜなら、足場を組む際は国家資格である「足場の組み立て等作業主任者」を置いて作業する必要があるからです。この主任者、そして足場を組み立てる作業員の人件費もかかるので、足場代を請求しないことなど、絶対にありえません。もしも、このような見積もりを出してくる業者があったら、ほかの費用に足場代を上乗せしていたり、手を抜いて作業したりする可能性が高いので避けたほうがよいでしょう。
高圧洗浄の費用が含まれているか
外壁塗装では、汚れや以前の塗膜をしっかり取り除いてから作業を始めます。この際、下地を補修したり、高圧洗浄機により汚れを洗い流したりするので、当然、見積書にもこれらの作業の費用が記載されていなければなりません。もし、洗浄や補修の費用が含まれていない場合は、必ず業者に確認しましょう。業者側が手抜きを考えている可能性もあります。
単価×㎡で計算されているか
外壁塗装の費用は、基本的に「単価×㎡」で算出します。そのため、計算式が記載されていない、金額だけ記載されている見積書では本当に正しい金額なのかわかりません。計算式が書かれていない場合は、実際の面積よりも広く塗装面積で見積もりが出されている可能性があります。
塗装は3度塗りか確認
外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3度塗りが基本です。3度塗りをすることで、外壁に塗料がしっかり定着します。見積書を見てもわからない場合は、業者に3度塗りかどうか必ず確認しましょう。
追加費用の有無について確認
たとえば、実際に塗装工事が始まったあと、追加で作業が必要になったとしましょう。本来、あってはならないことですが、もしも追加で作業が必要になったときに、見積もりの範囲内で作業が行われるのかどうか、業者に必ず確認しておきましょう。こうしておけば、あとでいざこざになることを防げます。
外壁塗装工事費用の支払いについて
外壁塗装工事の費用は通常、「着工のタイミングで一部のお金を払い、工事終了後に残額を払うケース」と「工事終了後の一括払い」のどちらかの形で支払います。業者によりこの支払い方法が異なるので、工事の契約を結ぶ前に必ず確認しておきましょう。
トラブルになりやすいのは、「一括先払い」を要求してくる業者です。外壁塗装工事で通常、このような形で支払いが行われることはありません。トラブルも数多く報告されているようなので、このような業者は避けましょう。
家を訪問してきた業者に、半ば強制的に工事の契約をさせられてしまった場合でも、契約を結んだ日を含めて8日以内ならクーリングオフが可能です。
外壁塗装工事にはローンも使える
外壁塗装には少なくないお金がかかるので、日頃から計画的にお金を準備しておかなければなりません。しかし、それでも不意の支出が重なってお金が不足してしまうこともあります。そんなときに使えるのが「リフォームローン」です。取引のある銀行などの金融機関に、リフォームローンの取り扱いがあるかたずねてみましょう。塗装業者がリフォームローンを用意している場合もあります。
まとめ
外壁塗装工事の価格相場や、見積もりの際のチェックポイントについて解説しました。外壁塗装工事の価格相場は70~90万円程度です。塗装面積や使用する塗料により費用は上下します。快適に暮らすために欠かせない外壁塗装のメンテナンス。まとまったお金がかかるので、積み立てるなどして、計画的に準備することをおすすめします。
■記事執筆者
彩玉建装株式会社
代表者 須藤 恵佑
■施工実績(去年)
・戸建て 60棟
・アパート 10棟
・マンション 3棟
■関連資格
・1級建築施工管理
・1級塗装技能士
・雨漏り診断士
・外壁診断士
・カラーコーディネーター など
■塗装業界歴
18年間
■コラムを発信する理由
「家が痛んできたな」「そろそろ外壁塗装をしなきゃ」と考えたときにまず悩むのが「どこにお願いするか」ということではないでしょうか?
・塗装専門店・見積りサイト・ホームセンター・住宅メーカー(工務店)・野立て看板など…
情報の多さに気後れしまう方が少なくありません。
そして、この業界には定価や相場が存在しません。見積金額や施工業者の良し悪しなどについては驚くほど様々です。
外壁を塗る塗料については「半製品」です。職人が手作りで工事を進め「完成品」となります。私は何より施工店の質が重要だと考えております。
私はこの不透明な業界で従事する者ですが、より正確な情報を発信出来ればと存じております。また限りあるお金を意味のある塗装工事に使って欲しいという思いです。
■施工エリア
<埼玉県>
杉戸町、宮代町、春日部市、越谷市、吉川市、さいたま市、幸手市、久喜市、加須市、白岡市、蓮田市、鴻巣市、羽生市、上尾市、桶川市、北本市
<茨城県>
境町、五霞町、古河市、坂東市、常総市、守谷市
<千葉県>
野田市、柏市